大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)2665 判決

主 文

本件上告を葉却する

理 由

弁護人松下宏の上告趣旨は末尾添附別紙記載のとおりである。

論旨第一点所論大審院判例の場合は同じ市の、収入役と助役とが犯行の都度共謀

して公金を取出し、共謀者の一人に交付して横領行為を遂行したものと認められた

場合であり、本件の場合は被告人はただ抽象的に「百万円ばかり役所に融通出来る

金は無いだろうか」といつて教唆したに止まり実行行為の共謀に迄は至らなかつた

ものと認められた場合であつて、両者具体的事実が異るのである。従つて原判決に

は判例違反はなく、いずれにしても本件において原審がその認定した事実に対して

為した適条は相当であるから此点の論旨は理由がない。その余の論旨は単なる訴訟

法違反の主張又は事実誤認の主張で刑訴四〇五条所定の上告理由に該当しないし、

同法第四一一条を適用すべき場合とも認められない(原審の事実認定に採証法則違

反もないし、所論Aの検事に対する供述が強制によるものであるとの事実はこれを

認めるに足る資料がない)

よつて関与裁判官全員一致の意見により刑訴法第四〇八条に従つて主文のとおり

判決する。

昭和二七年七月二九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

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